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ラボコラム

ライフル射撃の魅力(理学部三回生・金児美唯菜さん)

私の生活は、ほぼほぼ研究室と部活動の二つです。朝長研究室ではCRISPR-Cas9を用いた全ゲノムスクリーニングでボルナウイルスの細胞間伝播に関わる宿主因子の同定を試みています。部活動は体育会ライフル射撃部に所属しています。どちらもとても楽しくて充実した日々を過ごしています。
今回は好きなテーマでエッセイを書かせて頂けるとのことで、せっかくなので布教も兼ねてみなさんに馴染みが薄いだろうライフル射撃について話したいと思います。

「ライフル射撃」とは銃で標的を撃って得点を競う競技です。実はオリンピック種目なのですが地上波はされないし、競技人口は1万人もいないマイナースポーツです。私はまったくの未経験でしたが、京大に入学したときに配布された部活紹介の冊子で射撃部を見つけて、物珍しさから体験会に行きました。そしたら当てる楽しさにハマってすぐ入部を決めました。今入部しなかったら人生で二度と銃を持つことはないだろうと思ったことも理由の一つです。

銃を構える姿勢には決まった姿勢があるわけではありません。人によって一人ひとり骨格や筋肉の付き方が違うので、自分の身体に合った「銃が落ち着く姿勢」を模索します。銃が落ち着かないと銃口が揺れて的の中心に当たりません。筋肉を使ってしまうと筋緊張で銃が揺れてしまうので、骨格や体幹で支えるイメージで構えます。実は女性の方が骨盤が大きいため銃が安定しやすく、ライフル射撃は女性の方が強いスポーツだと言われているんですよ。

この自分なりの「銃が落ち着く姿勢」のトライアンドエラーを繰り返すのが私はすごく楽しくて、ライフル射撃に「ハマった」理由です。銃を構えたときに銃口がピタッと決まって、センターに当てられたときの快感はたまりません。

シーズン(春〜秋)中は月に1、2回のペースで試合があります。エア・ライフル(空気銃)で10メートル先にある同心円の的を狙って、真ん中を当てたら10.9点で得点を競います。計60発の弾を撃ちますが、連射は出来ないので、一発撃ったら銃を置き、弾を込めて、コッキング(撃鉄を起こす動作のこと)して、また構えて…という動作を繰り返します。試合時間は75分間と長時間にわたるので、集中力を保ち続けるのが大変ですが、自分の身体と的だけに集中する時間が終わったあとは頭がスッキリしていて、この試合後の感覚もライフル射撃の魅力だと思います。
ただ考えすぎて「京大生は撃つのがめちゃくちゃ遅い」と言われています(笑)考えるのが好きなんですね。

部活の友人とは銃についてよく話します。どこどこの銃はトリガーを引いた時の感触がぬるっとしてるとか。京大では卒部してからも射撃を続けていらっしゃる先輩が多く、私もずっと続けていきたいと思っています。そのため実は最近自前の銃を購入しました。法律で他の人の銃は触ることが禁じられているので、色々試す機会はなかなかありません。たまたま部で借りていたのがとても良い銃だったので(ドイツ製の Feinwerkbau というメーカー)、それを購入しました。そしたらなんと次の日に、同じメーカーから10数年ぶりに新しいモデルが発表されたんです…!もちろん購入した銃もとても格好良くて気に入っているのですが、このタイミングで出たのは悔しかったですね…。これがライフル射撃を始めて以来一番悔しかった出来事です。

今の目標は600点を越えることです。世界レベルのトップ射手だと620点、630点を撃つのですが、ベストスコアは597点でまだ道のりが遠いので、まずは大台にのることを目指しています。ライフル射撃は筋肉ではなく身体全体を使うスポーツなので、自転車の乗り方を忘れないように、他のスポーツに比べて年齢を重ねても続けやすく、この点も魅力だと感じています。